コロナ騒動後の医学・医療のデジタル化と人間関係

ようやく、コロナ騒動が一段落し、日本でも医学的見地からでなく、政治的配慮から、マスクをしなくていいというお達しが政治家からありました。でも、東日本大震災の時と同じで、専門家と称する方々が当初は、メルトダウンは起こっていないと言い続けておりましたが、結局、彼らは最初からメルトダウンを起こしていることはわかっていても、政治的配慮で決してそうだ、とは言いませんでした。

今回のコロナ騒動も同様で、アベノマスク(当時でも布マスクという、第二次世界大戦の時に、日本の軍事訓練で竹槍を持って行なっていたのと何ら違いはないですね)だの、SARS-Cov-2ウイルスは飛沫感染で感染し、空気感染はしないと専門家と称する人々がマスコミでさんざんおっしゃれていました。それでは信用されないという不安からか、政府はスーパーコンピュータで解析したら、あーだこーだと解析画像をマスコミに流して、マスクをすれば大丈夫だよと、意思のないスーパーコンピューが言っているようなことまでしていました。が、飛沫感染も空気感染も結局は同じもので、マスクの密度から判断して、決してどんなマスクでもSARS-CoV-2ウイルスを100%防御できないのは、小学生でさえ理解できるはずですが、社会的圧力で皆さんマスクをどこでもしているという光景がずっと続いてきました。社会的圧力というのは本当に恐ろしいですね。その結果、政治家がもうマスクは必要ないと言われても、あいかわらずマスクをどこでもし続けている光景が見受けられます。今こそ、メルトダウンは最初から分かっていたんだよ、と同様、マスクは役に立たないだよと、いう専門家と称する人たちがいてもいいのではないでしょうか?

前置きが長くなりましたが、コロナ騒動が一段落し、私の前職の大学の図書館もご多分にもれず、部外者は立ち入れないということで、長い間大学図書館を利用できませんでした。5月1日から政府の5類への移行の決定もあり、大学図書館の出入りが可能になり、本当に久しぶりに行ってきました。そうしたら、こちらは浦島太郎が元の世界に戻ってきての驚きと同じ感覚になりました。ちょうどお昼休みの時間でしたが、人っ子一人として図書館にいないのです。コロナ騒動で、学生や若手ドクターが休みがてらわいわいがやがやと話をするということがタブーになってしまったんですね。受付も人がいなくて、ベルで呼び出す始末です。

そして、このコロナ騒動の間に、ペーパーレスの時代に完全に投入したようで、紙の雑誌が全くありませんでした。以前にあった雑誌用の棚にあったのは、私ども基礎医学研究者、特に分子生物学の研究者なら毎月、目を通すという「実験医学」のみでした。それ以外の分子生物学の雑誌「蛋白質拡散酵素」や「細胞工学」はありませんでした。この医学部では、研究棟を建て直すため、今後は図書館のスペースも小さくするということで、研究棟を建て直すまでは新刊本は買わないということで、さらに驚いた次第です。若手ドクターや医学生にとっては悲劇ですね。こんなことに大学のお偉い先生方が是としたのは驚きです。医学雑誌については、私もScopusを通じて直接、関心のある論文にアクセスできるので、問題ないのですが、やはりNature, Science, New England Journal of Medicineなどは、こちらが昔の人間なせいなのか、紙の雑誌をぱらぱらぱらとめくってスクリーニングしたいものです。いちいちその雑誌のホームページに行って、アクセスするよりは、図書館で紙で見たいというのが本音です。やはり紙媒体は残しておいてほしいものです。

といっても、私は決してアナログ人間ではありません。私が医学部1年生(医進課程ではなくて学部生の1年生)の時に、大学の電算機室?にNECのPC9801が数十台あり、そこで自分でプログラムBASIC(卒後公衆衛生学教室で疫学のデータを解析するにあたり、昔からのPCでないコンピュータで解析しようとすると、データが24Kiloを超えての解析は無理でした。今は1Teraに迫るデータを解析してます)を学び、それからずっとコンピュータ、特にAppleのMacを使い続けています。ドイツに留学している時には、自分で読んだ遺伝子配列を大学のこれもコンピュータ室に行き、FASTAというプログラムに入れて、翌日その結果を受けるという経験もしてきました。

ということで、今年3月(ちょっとは他人よりは遅いかもしれませんが)、ChatGTPやOpeAI(画像作成にはMidjouney Bot)が話題になった時に早速、使ってみました。一般の人たちはお遊びで使い始めたかもしれませんが、私の場合最初から、ずっと分からなくと困っていたExcel関数の解答(回答でなく、本当に解答)を得ることができ、仕事に役立てることができましたし、また膨大な遺伝子解析のために、ExcelのプログラムであるVBAの解答を得ようともしました(こちらはうまくいかず、順延しています)。さらには、RNA sequencingの結果について、そのバックグランドの知識はChatGPTから得たりもします。といっても、非常に専門的なKEGG pathwayのIL17に関するhsa番号を聞いたら、hsa04620と回答がありましたが、間違っていました。今はまた、本も書いているので、その中で使用する図、イラストを著作権フリーで使いたいので、描かせたりしています。

さらに前置きが長くなり、申し訳ありません。最後が言いたいことです。

ということで、私は決してアナログ人間だけではないのですが、それでも最終的には「医学・医療は人と人の関係」であり、決してデジタルやバーチャルリアルティではないはず、と明言いたします。遠隔医療は、僻地医療以外は論外です。

追、タイトルを変更しました。最初のタイトルは「コロナ騒動後の今こそ、直に会って会話を」でした。最初にタイトルを書いてから文章を書き始めたら、前置きが本文になってしまったので、あらためてChatGTPにタイトルを決めたよと命令したら、「医学・医療のデジタル化と人間関係:遠隔医療以外の限界」との回答でしたが、「:」以下が内容と違っているので、削除し、冒頭のタイトルに変更しました。ChatGPTの使い方の一つをお示ししました。この通り、ChatGPTの回答が必ずしも正しくないという例になりましたし、最終的に決定するのは人であるという例を示しました。