余談:やっぱ、ご飯よね

弊社では臨床研究参加のためにいらした多くの患者さん、特に早期癌でなく、進行型癌または末期の患者の方とカウンセリングと言うか、くつろいだ部屋の円テーブルで、患者と医師が決して対峙するという形で無く、時には隣のフレンチレストランから昼食やコーヒーのケータリングをして、気軽な雰囲気で、時にはご家族の方も一緒にお話いたします

弊社に来るような患者さんやそのご家族の方は、よく患者さんの管理を考えて、本(たとえば、近藤誠先生の本)や、癌患者の食事療法についての情報(玄米療法低糖質療法野菜食)を持って、相談に来られます。

弊社の方針としては、癌患者さんに玄米療法低糖質療法などはお薦めしていないというか、むしろ逆で、おいしいものを好きなだけ、好きなときに食べてくださいとお話しております。以前のブログにこれらの療法については、正直な話、本当に正しいのか、特に低糖質療法については、日本人の書かれた英語論文は1つしか見つかりませんでしたし、それを精読しましたが、私としては納得できるものではありませんでした。これも、前のブログに書きましたが、癌の食事療法の英語の本もAmazonから入手し、精読しましたが、低糖質療法についての記載はありませんでした。低糖質療法を唱える先生方の根拠として、ペット(PET)検査で糖質の一種の放射性物質で標識したマーカーでの検査で癌の部分がシグナルを発するということを根拠に糖質は癌を栄養にしていると述べているわけです。すべての細胞が糖質ないしタンパク質の最終分解産物・アミノ酸から作られるペプチドやタンパク質を栄養に細胞、ひいては臓器・器官を形成しているわけで、実際には、細胞ないしはその成分がターンオーバー恒常性ホメオスターシス動的平衡)でそれらを維持しているわけです。したがって、たとえ癌が糖質を栄養にしているとは言え、正常な細胞も糖質を栄養にしているわけです。ただ、癌は正常細胞より若干細胞のターンオーバーや増殖速度が速いということはあるかと思いますが、それだからと言って、正常細胞の維持のための糖質などの栄養を控えるというのはナンセンスと考え、したがって、弊社の臨床研究参加者やそのご家族の方には、さきほど申したとおり、自分の食べたいものをいつでも好きな時に食べて下さいと薦めているわけです。

さて、前置きが長くなりましたが、タイトルの「やっぱ、ご飯よね」というのは、弊社の取締役である医師・医学博士の私の妻の言で、本日、早い春を知らせる「グリーンピースご飯」を食べたときに出た言葉です。これも、かなり昔のブログに書きましたが、健康の維持には

1.「良い飲食(あまりジャンクフードをいただかない)、そのための良い水

2.「きれいな空気(必要と思ったら、空気清浄機を使う」

3.「良い睡眠(眠る前には、部屋の明かりを落とす、テレビも機能を使って、明るすぎないように設定する)」

の1番始めに来ます。

動物と違い、人間は火を使い、自分で調理し、さらに食材も選ぶことができます。私の家では、米は日本一の新潟県南魚沼郡塩沢の農家から直接購入したコシヒカリの玄米を自宅で精米した後、水道水は全く使わず、購入したペットボトル(これにはついては、マイクロプラスチックの問題もあるかもしれませんが、消毒用次亜塩素酸(いわゆるカルキ)が入っていないだけでいいかと思っております)で洗米し、その水を加え、2センチ角の羅臼昆布を加え、数mlの純米を加え、炊いております。本日は、炊き込みご飯として「グリーンピースご飯」を炊いたわけです。付け加えれば、そのグリンピースも剥いたものを購入するのではなく、近所の八百屋さんに行って「鞘付きグリンピース」を購入し、炊く直前に剥いて、クックパッドなどのインターネットでの情報を元に調理し、炊いたご飯に加え、戴いた結果が、妻のコメント「やっぱ、ご飯よね」をいう感想でした。本当においしいのです。巷には、東京の高級レストランで毎食、食べている、それをブログなどにあげている方もおられるようですが、それを「グルメ」と称するのにも違和感を感じます。その方は、普段、日本一の米を入手し、食べようとか、夫や妻と一緒に食べようと思わないのでしょうか。

最後に申し上げます。癌になられて、身体も効かなくなりがちなときに、おいしい食事を摂れることが最も(必ずしも1番ではないかもしれません、最近のカウセリングでは、海外に暮らしてる娘夫婦と孫がコロナ禍も落ち着いてきたので、ようやく帰国し、会いに来てくれることを生きがいにしている人もおられます)幸せではないでしょうか。

以上、余談でした。