IX. カイジ散剤(顆粒剤)で原発性肝癌26例を治療した臨床報告

IX. カイジ散剤(顆粒剤)で原発性肝癌26例を治療した臨床報告

戴妙慶①楊剣兵② (① 江蘇省通州市中病院、江蘇 通州 226300;②江蘇省啓東市人民病院、江蘇 啓東 226200)

「上海中医薬雑誌」 1994,(12):40

キーワード:カイジ散剤(顆粒剤) 原発性肝癌

私達は1993年6月1994年6月、カイジ散剤(顆粒剤)を用い原発性肝癌26例を治療し、一定の治療効果が得られ、次の通り報告する。

1.一般材料

26例の原発性肝癌患者はいずれも当病院外来或は入院病例で、肝臓穿刺の病理検査或はBエコー、CT検査で最終診断された。男性が20例、女性が6例。年齢が最大70歳、最小30歳。1997年全国肝癌協力会議で制定された診断基準に準じ、Ⅱ期が19例、Ⅲ期が7例。

2. 治療方法

26例はすべて槐耳散剤(顆粒剤)の治療を行った。毎日3回て、毎回1パック、温水で溶かして飲む。Ⅱ期患者は3ヶ月間投与で一つ治療のコースとして、Ⅲ期患者は1ヶ月間投与で一つ治療のコースとする。治療期間に患者の症状、体調、肝臓と腎臓機能、癌サイズ、AFPなどを観察する。

3. 治療効果判定

1978年全国抗がん剤会議で制定された治療効果通用指標によって評定する。

(1) 完全緩解:

腫瘍が1ヶ月間を超えて完全消失する。

(2)部分緩解:

腫瘍最大直径及び最大垂直直径の積は50%を超えて縮小し、他の病巣は1ヶ月間を超えて増大しない。

(3) 安定:

病巣両直径の積は50%まで縮小してないし、25%を超えて増大してなかった。

(4) 進展:

病巣直径の積は25%以上増加する。

4. 治療結果

本群病例は中期患者が多数占め、症状は明らかに表し、例えばやせる、無力、肝臓部位の疼痛、発熱などである。カイジ散剤(顆粒剤)で治療した後、肝癌の臨床症状は明らかに改善され、全般の症状改善率は72%に達し、その中に肝臓部位の疼痛緩解率が74%(14/19)、無力緩解率が79%(15/19)、腹部膨満感緩解率が69%(11/14)であった。AFP上昇の15例は、カイジ散剤(顆粒剤)の治療によって、9例がある程度下がり、60%を占める。SGPT上昇の8例は、治療によって5例が下がって、63%を占める。

5. 考察

原発性肝癌が人類に対して極めて大きい危害を及ぼし、現在、国内外では効き目があるの治療方法が乏しい。初期患者は適時に手術、放射線と薬物を併用して一定の治療効果が得られるが、中期、末期に対して依然として理想的な措置がない。カイジ散剤(顆粒剤)は我が国民間での薬用真菌のカイジ菌質から抽出されたもので、薬物化学の研究によると、多種類の有機成分、10数種類の鉱物質元素を含み、主要な活性成分は多糖蛋白(PST)であることを示した。本群病例の観察によると:カイジ散剤(顆粒剤)は有効的に肝癌患者の臨床症状と体調を改善し、腫瘍の増大を抑えることができるので、患者の生存期間と生活質を高めることを期待されている。特に指摘すべきことは、この散剤(顆粒剤)は効果的にAFP含有量を下げることができるので、AFP持続陽性の前癌病変に使用することができる。カイジ散剤(顆粒剤)は新型の真菌類抗ガン新薬で、細胞免疫、腫瘍細胞殺傷などのメカニズムによって原発性肝癌を治療する作用を果たし、臨床でいっそう広く使う価値がある。

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