VII. カイジ顆粒による末期肝癌高齢患者への短期治療効果

VII. カイジ顆粒による末期肝癌高齢患者への短期治療効果

趙紅星1、張国政2 (1. 河南省腫瘍病院、河南 鄭州 450003;2.河南省鶴壁腫瘍病院、河南 鶴壁) 「中国腫瘍」 2001,10(5):305306.

抄録:金克カイジ散剤(顆粒剤)とその他の抗癌剤を併用して、末期肝癌の高齢患者を治療し、観察群、対照群を設け、観察によると、金克カイジ散剤(顆粒剤)が手術と化学療法できない高齢の末期肝癌患者に対して一定の治療効果があることを明らかに示した。

キー・ワード:金克カイジ散剤(顆粒剤);肝臓腫瘍;癌性疼痛;高齢者

中図分類番号:R735.7 文献標識番号:B 文章番号:10040242(2001)05030502

肝癌に対する金克カイジ散剤(顆粒剤)の治療効果と副作用をさらに解明するために、1999年4月から2000年2月まで、私達は金克散剤(顆粒剤)とその他の抗癌剤を併用して老年の末期肝癌31例を治療し、対照群を設け、治療効果を観察した。現在、以下のように報告する:

1  材料と方法

1.1  一般材料

 本群は末期肝癌高齢者62例を観察し、いずれも臨床資料が揃い、末期肝癌の病例であることを確実に診断した。男性が50例、女性が12例、年齢が60歳78歳、中間年齢が66歳。臨床Ⅲ期が34例、Ⅳ期が28例。疼痛を伴うものが48例。010数字の疼痛強度の分類法であるステージを付け、無痛(0)、軽度疼痛(13)が15例、中度疼痛(46)が26例、強度疼痛(710)が7例。いずれも初治療の病例でにカルノフスキースコアが50分以上、予想生存期は3ヶ月より長い。

1.2 方法

 全病例を無作為に観察群(31例)、対照群(31例)を分ける。観察群には疼痛のある症例が26例、軽度疼痛が8例、中度疼痛が14例、重度疼痛が4例。対照群が22例、軽度疼痛が7例、中度疼痛が12例、重度疼痛が3例。 両群病例の治療は次の通り:中薬欖香焼(エレメン注射液、Elemene Injection )400mg600mg,静脈点滴、毎日一回;烏体林斯針(漢方薬utilin”s”injection) 、6.88μg,静脈点滴、毎日一回。二種類の薬を30日間連続投与し、治療のコースとし、10日間の間隔を置いて、上記の薬を再投与する。計一つ二つ治療のコース。 観察群:金克散剤(顆粒剤)20グラムを併用し、経口投与、1日3回、30日間連続投与して一つ治療のコースとする。10日間投与中止してから再投与する。計一つ二つ治療のコース。

1. 3 治療効果判定

 腫瘍の治療効果判定:世界保健機関の腫瘍客観治療効果判定基準を参照し、完全寛解(CR)、部分寛解(PR)、安定(SD)、進展(PD)に分ける。 疼痛治療効果判定:世界保健機関の批准疼痛提要を参照し、010数字の疼痛強度ステージで治療効果を評定し、完全寛解、疼痛消失;中度寛解、疼痛軽減1/2以上;軽度寛解、疼痛軽減1/4;無寛解、疼痛変化なし或は加重に分ける。

2 結果

2. 1 治療効果

 腫瘍の短期治療効果:観察群ではCRなし;PRが3例(10%);SDが21例(68%);PDが7例(23%)、有効率+安定率(PR+SD)が773%(24/31)であった。 対照群がCRなし;PRが1例(3%);SDが15例(48%);PDが15例(48%)、有効率+安定率(PR+SD)が52%(16/31)である。両群を比べて明らかな有意差が認められた(p<0.05)。 疼痛治療効果:観察群、計26例、完全寛解が9例(35%)、中度寛解が12例の(46%)、軽度寛解が3例(12%)、未寛解が2例の(8%)、寛解率(完全寛解+中度寛解)が81%(21/26)。 対照群、計22例、完全寛解に3例が(14%)、中度寛解が8例(36%)、軽度寛解が6例(27%)、未寛解が5例(23%)、寛解率が50%(11/22)。両群を比べて明らかな有意差が認められた(p<0.05)。

2.2 副作用

 観察群:計5例(19%)、投与期間に吐き気がある。2例(8%)が投与後に体調不良があった。対症治療してから全病例がいずれも寛解し、治療に影響しなかった。 対照群:3例(10%)が投与後に吐き気、2例(8%)が体調不良があった。対症症状してから症状が寛解し、治療に影響なし、両群を比べて明らかな有意差が認められなかった(p>0.05)。両群はいずれも薬物による肝機能、腎機能、血液ルーチン検査と心電図の異常変化が見られなかった。

3 中間まとめ

 金克カイジ散剤(顆粒剤)はここ数年、癌の臨床治療に使われている国家第1類抗癌剤で、その主要な成分は主に多糖蛋白と18種類以上のアミノ酸で、そして鉱物質元素を含め、体の免疫機能の調節促進と腫瘍の生長抑制作用が持つ。 本群の観察結果によると、金克カイジ散剤(顆粒剤)が1類の低毒、比較的に良好な治療効果がある抗癌剤であることを示した。投与が便利、副作用が軽微、患者に受け入れやすい。手術と化学療法で治療できない末期癌の高齢患者に広く使われている。

カイジ顆粒論文集に戻る