XVIII. 金克カイジ顆粒と化学療法を併用する非小細胞肺がん41例の治療

XVIII. 金克カイジ顆粒と化学療法を併用する非小細胞肺がん41例の治療

姚亜民、馬智勇、趙艶秋(河南省腫瘍病院、河南 鄭州 450003)

「中国腫瘍」2001、10:184185

抄録:[目的]金克カイジ顆粒と化学療法を併用して非小細胞肺がんを治療するにとって有用かどうかを検討する。[方法]金克カイジ顆粒と化学療法を併用して非小細胞肺がん41例を,単独化学療法で非小細胞肺がん39例を治療して、比較、検討した。[結果]金克薬品(顆粒剤)は患者の免疫機能を保護し、化学療法の攻撃に避けることができ、治療群と対照群を比較して、明らかな有意差があった(p<0.05)。しかし短期治療効果とその毒副作用例えば、吐き気、嘔吐など面では、両群を比べて明らかな有意差がなかった(p<0.05)。結論金克薬品(顆粒剤)は明らかに腫瘍患者の免疫機能を改善でき、一種類の常備化学療法薬物として、臨床で広く使うことを進める。

キーワード:非小細胞肺がん ;金克カイジ顆粒;薬物療法

中図分類番号:R734.2 文献標識番号:B 文章番号:10040242(2001)03018402

金克カイジ顆粒は純粋な漢方免疫製剤である。1998年5月2000年3月に、私達は金克カイジ顆粒と化学療法を併用して非小細胞肺がん41例を治療し、また単独化学療法群の39例と比較、観察した。患者免疫機能を保護され、満足する治療効果が得られた。

1 資料と方法

臨床資料 全患者は初治療或は治療1ヶ月以内に化学療法を行っていない人が再度入院し、病理学と細胞診で最終診断された患者である。治療群が41例、年齢が33歳76歳、平均56.3歳;男性が29例、女性が12例;初治療が30例、再治療が11例;カルノフスキースコア(KPS)の平均が75、Ⅲ期が12例、Ⅳ期が29例(いずれも国際抗ガン連盟1986年基準を参照する)。対照群が39例、年齢が31歳71歳、平均59.1歳;男性が30例、女性が9例;初治療が29例、再治療が10例;カルノフスキースコアの平均が73.5、Ⅲ期が14例、Ⅳ期が25例.両群の年齢、性別、既往治療暦、病気の種類、カルノフスキースコア、臨床ステージを統計学的に検定処理し、いずれも明らかな差がなかった(p>0.05)。両群は可比較性がある。

治療方法治療群:化学療法開始の5日前から金克薬品(顆粒剤)を投与し始め、1日3回、毎回20グラム、第2周期の化学療法まで投与する。対照群:単独化学療法。各群の患者はいずれも2周期の化学療法を受ける。化学療法の方案:第1、2日目にシスプラチン(DDP)50mg/m2で静脈点滴、第1、8の日目にナベルビン30mg/m^2で点滴静脈注射、3週間は1周期である。

観察指標(1)映像学とリンパ節検査:治療前、中、後に比較検査し、腫瘍サイズの変化を観察する。

免疫機能:ナチュラルキラー細胞(NK)の活性、T補助細胞(T4)/抑制細胞(T8)比値について治療前後の変化を比較観察する。

(3)生活質:治療前後のKPS点数の増減を比較する。

毒性反応:化学療法前後の白血球、ヘモグロビン、血小板、 グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ、局部脈管炎、末梢神経炎、脱毛、吐き気、嘔吐、便秘など観察する。

治療効果の基準  (1)腫瘍の変化:WHO制定の実腫瘍治療効果基準を参照し、完全緩解(CR)、部分緩解は(PR)、無変化(NC)、進展(PD)。

(2)NK活性、T4/T8比値:治療前後絶対値の増減を計算する。

(3)生活質:KPS点数基準を指標とし、治療前後にて採点し、治療後は治療前採点より20分以上増加したのを著明改善、10分19分増加したのは改善、10分以内増減したのは安定、10分以上減少したのを減退とする。

(4)毒副反応:WHO制定された抗がん剤急性亜急性毒性反応分度基準を参照する。

治療前後の変化定量の資料はF検定(Epi Info6.02ソフトを使う)、定性資料はカイ自乗検定を採用する。

2 結果

比較観察によると、金克カイジ顆粒は明らかに化学療法による免疫機能低下を改善できることを示し、結果として治療前、両群のNK細胞活性、T4/T8は差がなかった(p>0.05)。治療後、両群のNK細胞活性、T4/T8は明らかな有意差が見られ(p<0.05)、しかも治療群は治療前後のNK細胞活性、T4/T8は差がなかった(p>0.05)。治療後、対照群は治療前より低く、明らかな差が認められた(p<0.05)。短期治療効果及び毒性作用、例えば吐き気、嘔吐、骨髄抑制、生活質低下などの面において、両群を比べて明らかな有意差はなかった(p>0.05)。(表1、2省略)

3 考察

大多数の悪性腫瘍は最終診断された時はすでに末期に属し、手術するチャンスが失われるので、化学療法を行う。化学療法によって症状を改善することができるが、化学療法は患者の免疫機能低下を招き、化学療法の延期治療効果を影響する一つ重要な要素になる。ですから、どのようにして化学療法の療効果を影響しないと同時に、できるだけ化学療法による患者免疫機能の抑制を軽減することは、すでに臨床医師に取って真剣に対応すべき問題になっている。 金克薬品(カイジ顆粒)は漢方薬のカイジに対して発酵を行って生産したカイジ菌質粒剤で、主要な活性成分は多糖蛋白(PST)である。臨床実験では、この薬はα、γ、インターフェロンを誘発し、刺激してインターロイキン2などリンパ因子を産生し、T細胞、NK細胞、顆粒球、単核細胞の細胞毒活性を増強し;しかもαインターフェロン、γインターフェロン、インターロイキンなどリンパ因子の間は協同作用があることを示した。 本文の結果では、金克薬品(カイジ顆粒)は確かに化学療法の攻撃をうけられないように患者免疫機能を保護し、その治療効果は信頼できることを示した。両群は短期治療効果の面で明らかな有意差が見られなかったが、治療群患者の免疫機能を有効な保護がえられるので、少なくとも理論的に患者の長期生存に役立つと言える。私達は患者について追跡観察を行い、満足させる結論が得られるように望んでいる。 金克カイジ顆粒が1類の純粋な漢方薬製剤で、明らかに腫瘍患者の免疫機能を改善でき、投与も便利、しかも投与過程に明らかで毒副作用が見られず、ですから、臨床でさらに広く応用する価値がある。

カイジ顆粒論文集に戻る