XIX. 再発性非ホジキンリンパ腫に対する金克カイジを併用した化学療法の治療効果

XIX. 再発性非ホジキンリンパ腫に対する金克カイジを併用した化学療法の治療効果

趙文生(温州医学院病院第1付属、温州325000)

「中国腫瘍」1999,8(5):237-238.

抄録目的金克(カイジ顆粒)で再発性中度、高度非ホジキンリンパ腫(NHL)を再化学治療する効果を検討する。[方法]明確な病理診断があり、しかも化学療法を受けた再発非ホジキンリンパ腫を計36例を選び、無作為に両群に分け、展望性の比較治療を行う。両群はいずれも同じCHOP方案で化学療法を施す。治療群の18例は金克カイジと化学療法を併用、対照群の18例は単独化学療法を行い、それぞれ短期治療効果、T細胞亜群の細胞亜群分布状態、毒副反応をを評価する。[結果]治療群CR率は61%,対照群は33%,明らかな有意差があった(p〈0.05〉。治療群が化学療法を施した後、T細胞亜群CD3、CD4レベルが対照群より明らかに高い(p<0.05)。毒副反対について治療群は対照群よりすくなく、軽い(p<0.05)。結論金克カイジが再発NHLの更化学療法に対して比較的に良好な治療効果があって、臨床でさらに応用と検討する価値がある。

キーワード 非ホジキンリンパ腫 金克カイジ 化学療法

非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療進展は速いが、中度、高度再発性NHLの更化学療法について、臨床では依然として比較的手を焼く問題である。我が病院はは1996年3月1998年6月、36例の化学療法後に再発したNHLを無作為に群に分けて、金克(カイジ顆粒)をつかい、CHOP方案を併用する治療法と単独CHOP方案治療法の短期治療効果、T細胞亜群の分布状態と毒副反応について比較観察し、次の通り報告する。

1 試料と方法

一般材料:全群計36例、男性が28例、女性が8例、年齢が最小14歳、最大69歳、中間年齢が43歳、いずれも病理組織学診断と免疫組織学分類がある。1985年の成都会議NHL工作分類方案[1]に準じて、中度悪性が20例、高度悪性が16例、全病例の中にリンパ母細胞リンパ腫瘍がない。Ann、Arbor臨床ステージに基づいて、Ⅱ期は6例、Ⅲ期が18例、Ⅳ期が12例、いずれも化学療法後に再発した病例で、病気経過は最も短い17ヶ月、最も長い40ヶ月、過去に化学療法を受けた期間は最少6周間、最多は9周間、17例はCHOP方案を使ったことがあり、11例はコバルト60の放射線治療(ADM累積量が360mg/m2以内)をうけたことがあり、当治療を受ける前の5ヶ月間以内に化学療法を受けたことがなく、KEGが正常、Karnafsky採点は60分以上である。36例が無作為に治療群(金克カイジ+CHOP)と対照群に分ける両群の病例特徴を比べ、明らかな有意差がなかった(p>0.05)。

治療方法:両群はいずれもCHOP方案を採用し、サイクロフォスファマイドを600mg/m2静脈注射、第1日目;エピルビシンを60mg/m2静脈注射て、第1日目;ビンクリスチンを1.4mg/m^2静脈注射、1、8日目;プレドニゾンを100mg/m2朝投与、15日間、21日間で1周期である。その中に治療群は化学療法前の7日目から金克カイジを毎回20g、1日3回×の15日、温水で溶かして飲む。両群の病例は化学療法を施す前にいずれもメトクロプラミドとジフェンヒドラミンを併用して嘔吐を防ぎ、同時にいずれも治療を強化する。

治療効果判定:評定基準が1979WHOの基準を参照し、完全緩解(CR)、部分緩解(PR)、無変化(NC)、悪化(PD)、総緩解率がCR+PRである。全病例はいずれも2周期化学療法を受けてから、短期治療効果、毒副反応(WHO基準に準じ)で評価し、化学療法前と第2周期化学療法の後に第2週目にそれぞれ採血してT細胞亜群を測定する。

2 結果

治療効果:両群の短期治療効果は表1、治療群CR率は61.0%、総緩解率が89.0%;対照群はそれぞれ33%、61%,明らかな有意差があった(p<0.05)。

T細胞亜群の変化:表2に示したように、化学療法施の治療群CD3、CD4レベルは明らかに対照群より高い(p<0.01)。

消化管反応:主に吐き気、嘔吐の発生率を観察し、治療群の総反応率が5例 28.0%、対照群が11例 61.0%、明らかな有意差があった(p<0.01)。(表1省略)

血液学の毒性:全群の病例はいずれもある程度の骨髄抑制があって、白血球下降は最も目立ち、治療群にⅠ度が8例、Ⅱ度が9例、Ⅲ度が1例、Ⅳ度の病例がなく、対照群にⅠ度が5例、Ⅱ度が6例、Ⅲ度が5例、Ⅳ度が2例、その中にⅢ度+Ⅳ度は対照群と比べて明らかな有意差があった(p<0.01)。血小板とヘモグロビンの変化は不明瞭、比較しなかった。

心臓の毒性:主にEKG異常として表し、洞性頻脈、STT変化はわりに多い。約半数の病例がCHOP化学療法を受けたことがあり、EGK反応率はわりに高く、治療群は合計7例(39%)、対照群が8例(45%)、明らかな有意差がなかった(p>0.05)。

3 考察

CHOP方案はすでに非ホジキンリンパ腫(NHL)治療の基本方案になり、国内では管氏ら報告によると、CR率が57.7%[2]に達する。本文の観察では単独CHOP治療群CR率が(33.3%)で、文献報告より低く、主に選んだ病例はいずれも化学療法を受けた後に再発した症例であることと関係がる。ですから、いかに再発、難治性NHLの治療効果に高めることは臨床研究に価値のある問題である。体の免疫力を高めて腫瘍を治療することは現在、腫瘍生物治療研究の重要な課題である。金克(カイジ顆粒)は1類新しいタイプの真菌類抗腫瘍新薬で、その主要な成分は多糖蛋白と18種類以上のアミノ酸、また鉱物質元素を含んで、腫瘍細胞の生長を抑制できるだけではなく、まだ体の免疫力を強めることもできる。1類の比較的理想的な免疫増強腫瘍抑制剤[3]で、それはマクロファージに対して明らかな促進機能があって、まだライソソーム活性を増強し、体液免疫と細胞免疫を高めて、そして内因性的にa、γインターフェロンを誘発して生産し、インターロイキンⅡなどリンパ因子を刺激して産生し、インターフェロンとインターロイキン本文の治療群は金克カイジを併用して、緩解率(89p%)は対照群(61%)と比べて明らかな有意差があって、しかも治療群CD3、CD4が明らかに対照群より高く(p<0.01),金克カイジは比較的良好な抗腫瘍活性があることを示した。

本文では、治療前後のT細胞亜群の分布状態を検査し、結果として治療群が化学療法で治療した後にCD3、CD4レベルが明らかに対照群より高い(p<0.01)、金克カイジはリンパ細胞活性を増強し、体の免疫機能を高まる作用があることを示した。治療群Ⅲ度以上では消化器反応と骨髄抑制発生率がいずれも対照群より低く、統計学的に有意差があった(p<0.05)。金克カイジは毒副作用を下げ、白血球作用を高めることができることを示した。

上述したように、再発性治療難治性NHLの再化学療法に金克カイジを併用して抗腫瘍作用を増加し、 体の免疫機能を増強、白血球作用を高めることにより比較的に良好な短期治療効果を得ることができ、 しかも毒性反応を増加せず、臨床で広く応用していっそう検討することに価値がある.

参考文献

1 徐世麟、1985年成都会議で訂正策定した非ホジキンリンパ腫工作分類方案と指標、腫瘍、1985;5;277

2 管忠震、CHOP方案で非ホジキンリンパ腫を治療した103例の臨床治療効果と毒性について観察、癌、1980;8;98

3 周啓康、カイジ散剤で原発性肝臓癌を治療した30例の臨床報告、上海中国医学雑誌、1995;2;25

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