XIV. 膀胱癌術後に金克、チオテパとマイトマイシンCの応用

XIV. 膀胱癌術後に金克、チオテパとマイトマイシンCの応用

周啓康 (啓東市人民病院、啓東226200)

抄録[目的]膀胱癌術後の生存率向上と無腫瘍の期間延長措置についての検討する。[方法]1992年2月1998の2月、60例入院患者を奇数、偶数で自然に群に分けて、術後、1群はチオテパ、マイトマイシンCを交替して膀胱内を注入し、もう1群は同じように同時に金克(カイジ顆粒剤)を併用して注入する。[結果]金克(カイジ顆粒剤)と化学療法を併用する群は明らかに単独化学療法より優れ、1例は再発し、3.0%を占め、単独化学療法群は5例再発して16.7%を占める。結論金克(カイジ顆粒剤)は膀胱腫瘍の再発防止に比較的に良好な効果がある。腫瘍細胞成長を抑えるだけではなく、まだ体の免疫力を増強し、内因的にα、γインターフェロンを誘発するので、この薬を臨床に応用するように進める。

キーワード 膀胱腫瘍 外科手術 薬物療法 マイトマイシン 金克 チオテパ

膀胱癌術後、予防治療をうまくしないと、再発率は高く、患者生命に危害を及ぼす。1992年2月1998年2月、我が病院は60例の膀胱癌患者に対して膀胱部分切除術を施行し、術後に両群に分けて、各群は30例、1群はチオテパとマイトマイシンCを交替して膀胱腔内に注入すると同時に金克(カイジ顆粒剤)を経口投与する。対照群はチオテパとマイトマイシンCを交替して膀胱腔内に注入する。明らかな有意差が得られたので、次の通り報告する。

1 資料と方法

一般材料60例の患者は手術での病理切片で診断した膀胱癌の順次で並び、奇数番号、偶数番号で自然に両群に分ける。男性が54例、女性が6例、40歳以下が6例、40歳49歳が10例、50歳59歳が14例、60歳以上が30例。年齢が最小25歳、最大88歳。多個腫瘍が16例。60例の中に移行上皮癌が58例、腺癌が2例;細胞分化:I級が25例;Ⅱ級が30例;Ⅲ級が5例ある。53例は粘膜と粘膜下層に浸潤し、7例は浅筋層或は筋層に浸潤した。手術方法持続硬膜外麻酔、恥骨の上部から膀胱を切開し、まずチオテパ希釈液を腫瘍頚と周囲組織に注入し、腫瘍変縁から2cmのところに電気メスで環状切除し、単純な膀胱部分切除は56例、部分切除と輸尿管単側移植を行ったのが4例である。切除した後に、まずにチオテパ希釈液で傷の表面と傷口を洗い流し、45℃蒸留水で傷の表面と傷口を5min浸して、尿道にFoley’s導尿管を留置して57日をドレナージする。 かん流治療法術後の第1週目にチオテパ60 mgに50 ml生理食塩水を加えて直接に膀胱をかん流し、女性は導尿管を通じて膀胱に注入し、15分ごとに一回体位を変え、2時間保留する。第二週、マイトマイシンC20mgに生理食塩水60mlを加え、同様な方法でかん流し、交替使用、計12回、それから毎月一回、計6回。術後、毎月尿のルーチン検査を行い、もし顕微鏡的血尿を発見すれば、直ちに膀胱鏡検査を行い、一般患者は術後3ヶ月間に一回膀胱鏡検査を行い、連続4回、その後、半年一次の間隔で検査する。3年後、年に一回検査する。毎年、かん流する前に白血球と血小板を調べ、もし白血球数は明らかに下がれば、対症療法を行う。 一群に30例の患者、膀胱内注入療法の同時に金克(カイジ顆粒剤)を経口投与、毎回5g 1日3回、温水で溶かして飲み、3ヶ月間投与で一つ治療のコースとし、1年間に1つ2つ治療のコース投与する。

2 結果

金克(カイジ顆粒剤)と化学療法を併用部に術後、1例が再発し、再発率が3.3%、単独化学療法群が5例再発し、再発率が16.7%、両群を比べて明らかな有意差があった。再発患者の中に移行上皮Ⅰ級が2例、Ⅱ級が1例、Ⅲ級が3例。本群患者をいずれも追跡訪問した。単独化学療群に2例はそれぞれ二次手術を行い、その中に1例は術後8ヶ月目に骨盤腔リンパ節に転移し、手術治療を受けられず、腎不全でなくなった。 全群60例について6ヶ月間6年間追跡訪問を受け、その中に3年以上が36例(60%)、2年が11例(18.3%)、1年が13例(21.7%)。

3 考察

現在、浅在性膀胱癌の治療について、通常、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR)を行う。いくつか細胞分化良好、浸潤が浅く、頚部部に成長、憩室内の腫瘍は経尿道的切除術で治療しにくい患者に膀胱部分切除術を行うが、術後に膀胱内注入化学療法を堅持すると同時に、体の免疫機能を強めて、腫瘍再発防止をするべきである。馬衛海ら[1]の報告:マイトマイシンCで膀胱粘膜下注射と膀胱内かん流によって腫瘍再発防止をし、5年の再発率は8.5%である。本群の二種類連合化学療法の再発率は16.7%、上述の報告より1倍高い。金克(カイジ顆粒剤)を併用した本群の再発率は3.3%で、明らかな有意差があった(p<0.05)。金克(カイジ顆粒剤は1類新しいタイプの真菌類抗腫瘍の新薬で、その主要な活性成分は多糖蛋白で、そして鉱物質元素を含んで腫瘍の生長を抑制するだけではなく、体の免疫力を増強することもできる。1類理想的な免疫増強と腫瘍抑制剤である[2]。それは他の多糖類にあるマクロファージに対してとても明らかな促進機能があって、ライソソーム活性を増強、NK細胞を活性化、体液免疫と細胞免疫機能を高める以外に、さらに内因性的にα、γインターフェロンを誘発するので、抗腫瘍性能は他の多糖類より全面的、独特な面を持っている。金克(カイジ顆粒剤)を投与により、化学療法時に出た毒副作用を下げることができる。本群病例は術中にチオテパを腫瘍頚部に局部注射したが、腫瘍以外の粘膜下に潜在する病変を治療することが及ばないので、高い再発率の一つ原因である。マイトマイシンCを広範に粘膜下注射を行い、明らかな合併症がなく、しかも術後再発率は比較的低い。もし金克(カイジ顆粒剤)を併用すれば、治療効果は更によくなり、この後、いっそう研究して応用することを期待されている。

参考文献

1 馬衛海、劉春雷、劉鉄民ら、マイトマイシンC膀胱粘膜下注射と術後膀胱かん流注射と膀胱内かん流注射を併用して腫瘍再発を予防する、中華泌尿外科雑誌、1998,19(2):79

2 周啓康、カイジ散剤で原発性肝臓癌30例を治療した臨床報告、上海漢方医薬雑誌、1995,2:25

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