XVI. 金克カイジ顆粒でIV期乳癌を治療する

XVI. 金克カイジ顆粒でIV期乳癌を治療する

鐘少文1、江慧玲1、劉xin2、劉暁雁1、司徒紅林1

広東省中病院、広東 広州 510120;2-黒竜江省望奎県中病院、黒龍江 望奎 152100

抄録:[目的]金克カイジ顆粒でIV期乳癌を治療する臨床治療効果を観察する。[方法]広東省中病院の乳腺科2001年1月2003年1月の間に治療を受けた62例患者を両群に分け、治療群が29例、金克カイジを3ヶ月間連続投与し、;対照群が33例、CTX+THP+5Fu3の化学療法で、3週間に1回は一つ治療のコースで、計四つ治療のコースに治療した。漢方医学症状の改善情況について、治療群の総有効率が64%で、対照群が24%で、明らかな有意差があった(p〈0.05)。生活質の改善について、治療群が対照群に比べて明らかに高い(p〈0.01);治療群の中間生存期間が18ヶ月で、対照群の中間生存期間が13ヶ月であった。[結論]金克カイジ顆粒は患者の生活質を明らかに改善するだけでなく、部分患者の生存期間を延長することができる。

キーワード:カイジ顆粒;乳腺腫瘍;治療効果

中図分類番号:R737.9 文献標識番号:B 文章番号:10040242(2003)12075402 我が科は2001年1月から2003年1月まで、IV期乳癌患者を計62例観察し、その中に金克(カイジ顆粒)治療群が29例、全身化学療法群が33例(対照群)、両群患者の治療前後の症状、生活質、生存期間、不良反応などの指標を比較し、次の通り報告する。

1 材料と方法

1. 1臨床資料 乳癌患者が62例、すべて女性で、年齢が41歳74歳、平均年齢が49歳、UICC TNMステージはいずれもIV期で、原発病巣はすべて病理生検の検査で診断され、免疫組織化学検査でER、PRいずれも陰性であった。18例が遠隔リンパ節転移、16例が肝臓転移;22例が全身多発性骨転移を伴い、8例が胸腔転移を伴なう胸水細胞診でいずれも腺癌細胞に見られた。 カイ自乗検定で、治療群と対照群の群間構成比は有意の差はなかった(p>0.05)。表1省略

1. 2治療方法

治療群:金克カイジ散剤を毎回1パック、1日3回、3ヶ月連続投与するのが一つ治療のコースとして、この期間にすべての抗癌関連薬と各種免疫製剤を使用停止する。

化学療法群:CTF方案の三剤併用化学療法を使用し、具体的な使用量:CTX 600mg/ m2,5Fu 40mg/ m2,3週間ごとに1回、毎回は一つ治療のコースで、計4つ治療のコースである。

1. 3観察指標

漢方医学症状:患者の精神状態、胃納(胃腸の消化機能)、睡眠、体重、疼痛、舌質を観察指標として、軽いものから重い程度まで、計4級に分け、その中に0級が正常、1、2、3級はそれぞれ軽、中、重で、毎週ごとに1回記録する。

生活質:Karnofsky行為状況採点基準を指標として、治療前及び各治療のコース終了後に採点する。

実験室検査:血液、尿のルーチン検査は毎週一回に再検査し、毎月一回に肝臓と腎臓機能、便のルーチン検査、CEA、CA153。

生存期:治療日から死亡或は最後の診療まで。

1. 4評価基準

漢方医学症状の治療効果の参考基準:《漢方新薬臨床研究指導原則》をご参考[1]。著明効果:病例に治療後が治療前より2級下がる者;有効:治療後が治療前より1級下がる者;無効:上記基準を達成していない者。

生活質の評定基準[2]:Karnofsky行為状況採点によって治療前と治療後を比較する。著明効果:治療後採点が治療前より20点を増加する者;有効:治療後採点が治療前より10点を増加する者;無効:上記基準を達成していない;総有効率=著明効果+有効

生存期(治療後生存期)の評定基準:治療開始から死亡或は最後の追跡調査まで。

1. 5統計方法

群間計数資料のRidit分析検定、P<0.05は明らかな有意差がある。

2 結果

2. 1 漢方医学症状の改善

治療群の症状改善総有効率が64.4%、対照群が24.0%、明らかな差があった(P<0.5)。症状改善の単項目指標で見ると、金克カイジ散剤が神疲乏力(精神的な疲れと無力)、疼痛、やせる、舌質紫暗など症状に対して明らかな治療効果があり、胃納、睡眠状況の改善に対して対照群と有意差がなかった(P>0,05)詳しく表2をご参考ください。

2. 2 生活質の改善 治療群に著明効果が10例、有効が14例、無効が5例、有効率が82.75%であり、対照群に著明効果が2例、有効が11例、無効が20例、有効率が39.39%である。両群の比較、U=3.79,p<0.01,金克散剤治療群の生活質は対照群より明らか良好であることを示した。

2.3 治療後の生存期間

治療群に24ヶ月を超えた生存者が8例、27.58%を占め、中間生存期間が18ヶ月で;対照群に24ヶ月を超えるのが2例、6.06%を占め、中間生存期間が13ヶ月である。生存期間について、治療群は対照群より優れ(p<0.01)、具体的に表3をご参考してください(表3省略)。

2.4 不良反応

金克カイジ治療群は心臓、肝臓、腎臓損傷の副作用が見られず、骨髄に対して抑制作用がなく、少数の患者が一過性の吐き気、嘔吐或は下痢症状が現れたが、その他の毒副作用が見られなかった。

3 考察

中国伝統医学では、乳癌の発生は正気欠虚(正風が不足)、臓腑機能衰退の元で、外邪と内生の痰湿と鬱血など病理産物と相搏(戦う)、ですから、気滞、血鬱、痰凝、毒が乳絡(乳腺)に集まると考えられている。ですから、本病気の発生と発展は因虚致実(虚の原因で実に至る)、因実而虚(実の原因で虚になる)虚実挟雑(虚実混在)の過程である。治療は扶正きょ邪「正気を扶け(助け)、邪気を取り除く」相互結合する総原則を採用するべきである。末期乳癌の場合、腫瘍細胞のER、PR陰性、全身状況もよく、西洋医学の内分泌治療効果が不足、全身化学療法で一定の治療効果が得られるが、化学療法の毒副作用は大きいので、患者の生活質を深刻に影響され、その上に患者の生存期間を延長できない。 金克(カイジ顆粒)はカイジ菌質から抽出し、主な抗癌活性成分は多糖蛋白(PST)で、PSTは抗癌活性があり[3]、カイジは良好な免疫増強調節作用があり[4]、マクロファージの食機能と促進に対して明らかに作用し、a、γ-インターフェロンの誘発及びα-インターフェロンのNK細胞活性化に協同作用がある。特異抗体の産生を高めることができ、扶正活血の効果があり、末期乳癌に対して精神疲労、やせる、疼痛などの臨床症状を改善することができ、舌質紫暗、舌下の脈絡青紫など漢方医学の客観的な症候を改善できる。金克カイジ顆粒は患者の生活質を明らかに改善できるだけでなく、部分患者の生存期間をさらに延長することができる。

参考文献

[1] 鄭筱萸、漢方新薬臨床研究指導原則(試行)[M] 北京:中国医薬科学技術出版社、2002.207224

[2] 周際昌、実用腫瘍内科学[M] 北京:人民衛生出版社、1999.3335

[3] 庄毅、真菌抗癌剤カイジ顆粒の開発[J] 中国腫瘍、1999,8(12):540543

[4] 陳慎宝、丁如寧、マウス免疫機能に対するカイジ菌質成分の影響[J] 食用菌学報、1995,2:21

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