VI. 原発性肝臓癌の治療に対する金克カイジの応用

VI. 原発性肝癌の治療に対する金克カイジの応用

張玲、韓風、馬洪波 (河南省腫瘍病院、鄭州 450003)

「中国腫瘍」中国腫瘍、2000,9(8)

 我が病院は1998年6月1999年6月、金克カイジ顆粒で原発性肝癌98例を治療して、そのうち総計資料完備の63例を統計解析した。患者の症状によって甲群(切除群)、乙群(肝臓動脈塞栓化学治療群)、そして以上の両群に対してそれぞれ対照群を設ける。次の通り治療情況を報告する:

1 資料と方法

1.1 一般材料

 観察した病例を症状によって甲群と乙群に分け、また患者の経済状態と患者の意見により無作為に治療群と対照群に分ける。その中に治療群の16例に肝癌切除を行い、18例に肝臓動脈塞栓化学治療を行い、この群の患者について術前検査と術後病理検査で、原発性肝臓細胞癌である程度の肝硬変を伴うことを実証した。対照群に肝癌切除を受けた者が12例、肝臓動脈塞栓化学治療をした者が17例。術後でいずれも病理で原発性肝細胞癌あるいは胆管細胞癌であることを実証した。

1.2 治療方法

 手術切除群:計28例患者、左半葉の肝臓切除者が7例、右半分の肝臓切除者が6例、残りは肝臓の区域切除と不規則な肝臓切除者が15例、治療群は金克カイジ散剤(顆粒剤)を6ヶ月間連続投与し、2ヶ月ごとに肝臓と腎臓機能、血液ルーチン検査、Bエコー、AFP( イライザ、エンザイム、放射免疫法)、免疫機能を測定する。手術切除範囲不足の患者に対して、術後、毎月ごとに510回の肝動脈化学療法を他に行う。対照群患者術は術後1週目からUFT 4錠/回、3回/日或いは139Ⅲ口服液20ml/回、2回/日を投与する。6ヶ月間連用投与し、他が治療群とまったく同じであった。 肝臓動脈塞栓化学治療群:35例の患者を選んで、いずれも体内手術の肝臓動脈塞栓と同時に肝臓動脈あるいは門脈に薬のポンプを置いて、術後1週目から金克散剤(顆粒剤)を投与し、対照群がユーエフティ、139Ⅲ口服液あるいはその他の化学治療薬を投与し、具体的な使用法は手術切除群と同じである。異なるのは塞栓化学治療群の患者が術後1ヶ月以内から化学療法ポンプで化学薬を注入する。具体的な方法は ドキソルビシン10mg/回、5回10回/月、プラチナ100mg/回、5回/月あるいは水Hydroxycamptothecin2mg4mg/回を使う。動脈ポンプは化学治療薬を注射する同時に、更に定期的にリピオドールと化学治療薬を併用して注射し、塞栓化学治療作用を発揮することができる。術後再検査の項目と間隔時間は手術切除群と同じである。

2 結果

 主に薬剤投与後に末梢血液像の白血球変化、消化器副作用情況、肝機能改善情況、AFP下降程度、腫瘍縮小と再発を観察し、免疫機能測定を行う。表1によると、治療群の効果は対照群より優れ、また、疼痛を伴う患者を観察している時に意外に金克カイジ散剤(顆粒剤)が痛み止めの効果が非常に良好と気づいた。手術前に肝臓部位に痛みを伴う患者は金克散剤(顆粒剤)35回を投与してから肝臓部位の疼痛は明らかに寛解した。手術切除群、金克カイジ散剤(顆粒剤)を投与した後に術後の再発率を明らかに下がり、切除治療の16例に術後半年に再発したのは1例(1/16)、術後1年間に2例(2/16)、切除対照群は術後半年に2例(2/12)、術の後1年間に5例(5/12)が再発した。塞栓化学治療群に対して再検査し、WHOの腫瘍切除不能薬物化学療法指標に準じて判定し、治療群と対照群の完全寛解率は0、治療群有効率は88.9%(16/18)、対照群は20.6%(12/17)、治療群2例が無効、対照群5例が無効であった。

3 考察

 原発性肝癌の初期では臨床に特異性が乏しく、体の症状も不明瞭である。したがって初期では発見しにくく、症状と体徴が表した中期、末期肝癌患者に対して、主要な治療手段として手術切除である。しかし切除した後の再発は重要な問題で、いかに再発防止あるいは再発時間延長をすることは生存率を高める主要な問題である。全身化学療法は肝癌に対してほぼ無効で、その上副作用は大きい。病理解剖によると、肝癌再発する原因は主に肝癌細胞が門脈系統を通じて肝臓内に拡散することを実証した。金克カイジ顆粒の経口投与は消化管を通じて、門脈系に入り、治療効果を果たし、しかもいかなる副作用がなく、肝癌再発の予防と治療に対して効き目のある薬物である。しかし金克カイジ散剤(顆粒剤)の経口投与は明らかな不足点として口当りがよくない。少量の果汁を併用して飲むと、味が明らかに改善することをできる。

《中国腫瘍》2000年第9巻 第8号に発表

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